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2015.07.13 Monday

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    300円ショップ

    2012.03.15 Thursday

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      先日、カールちゃんとお茶をしました。
      場所は、オープンしたてのショッピングモール。建設当初から気になっていたので、ではそこで落ち合おうということに。
      わたしは初めて、カールちゃんは2度目です。

      外から見ても広いそのモールは、中に入るともっと広さを感じました。奥のつき当たりが見えないくらいです。洋服、バッグ、雑貨。フードコーナーはもちろんのこと、家電、映画館、銀行の店舗まで入っています。
      無いものは無いというくらいの品揃えでした。
      わたしはずっと目を丸くして歩いていました。

      最近はこういう複合施設が増えましたね。
      昔は、奥さんが服を見ているあいだ、ご主人が所在なさげにベンチに座っている、という光景をよく見かけましたが、最近は少なくなりました。
      「じゃあ俺は本屋で本を探しているよ」
      「ボクは友達と、映画館でポケモンを観る」
      なんて、それぞれの時間を過ごすことができるようになったからでしょう。
      便利になりました。


      面白かったのは、300円ショップ。
      よく100円ショップというのがありますが、それの300円版です。

      狭いスペースに、よくセレクトされた品物が並んでいて、お客さんがいろいろ手に取っていました。ナチュラル・ベーシックとでもいうのでしょうか、生成りの布やレースを使った、やさしい雰囲気のリビング用品、キッチン用品、アクセサリパーツ。レジャーバッグ、スカーフホルダー、カーテンレールまでありました。

      300円という価格のため、品質はそこそこ良く、値ごろ感もあります。
      カールちゃんとこれがかわいい、あれはセットになっていておしゃれ、などと言いながら、楽しく悩みました。

      わたしの戦利品は、陶器の小物入れ。切り株の形をしていて、上の切り口の年輪が、蓋になっています。
      ちょうどようじ入れを探していたので、これにしました。
      「ようじでしょう? 入るかなあ?」
      カールちゃんは疑わしげ。
      「大丈夫よ、入るわよ」
      とわたし。
      「蓋が閉まらないんじゃないかしら?」
      陶器は高さが5センチくらいです。
      「もしかしたら、ようじの頭がはみ出てしまう?」
      「たぶん」
      「うーん」
      「それもそうね」
      と一度は棚に戻したわたしですが、
      「ま、そうなったら、そうなった時のことで」
      かわいさに目がくらんで、買ってしまいました。

      (案の定、蓋は閉まりませんでした。でもちゃんとようじ入れにしてますよ! 蓋ははずしているけど……)

      カールちゃんの戦利品は、ティーポットと、雑貨をいくつか。いい買い物ができた、とうれしそうでした。
      きっと忙しい家事の合間に、お茶をいれてくつろぐのでしょう。
      そうそう、すてきなバッグも買っていました。手ごろな大きさで、里帰りの1泊旅行にぴったりでした。


      結局、1日ですべてを回りきることはできませんでした。
      「また次の機会に」
      「並んでいたカフェ、今度行きたいね」
      両手に戦利品のつまった袋を下げて、2人で建物を後にしました。

      モールは、暗くなっても客足がとだえることはありませんでした。
      帰っていく人もいましたが、同じくらい、夕飯を食べにくる家族連れや、夕飯の材料を買いにきた仕事帰りの人が、入ってきていました。
      外の広場では、なにか出し物をしているのか、人垣ができていました。

      等間隔の街灯が、新しい人気スポットになったモールへの道を、明るく誘導していました。
       
       
      JUGEMテーマ:買ったもの

      2010クリスマス(5)銀座

      2011.05.30 Monday

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        飲み会の場所は、銀座ファイブの地下1階、ラ・スコール。ぎりぎりに着いたので、みんな集まっているかと思ったら、幹事のKさんだけがぽつんと座っていました。
        「あら? 他のみんなは?」
        「まだなんですよ」
        時計を見ると、19時になるところです。
        「時間、合ってるわよね?」
        「まったくなにやってるんでしょうね。土曜日だってのに」
        「みんな仕事?」
        「いや、そんなはずは」
        まあいいや、どんどん始めてしまいましょうか、と勝手に注文を始めるわたし達。そうこうするうちに、仲間がばらばらと到着してきました。やあやあお久しぶり。注文のピッチも上がります。

        ラ・スコールはベトナム料理を出すレストラン。ベトナム料理が初めてのわたしは、メニューの説明を読みながら、ふむおいしそうとつぶやいたり、眉をひそめてみたり。
        「フォーって、聞いたことあるわ」
        「美味いですよ」
        「おすすめは?」
        「パクチー・サラダ。俺、ひとりで1皿いけます」
        「パ、パクチー!?」
        わたしはパクチーが大の苦手です。
        「大丈夫さ」ととなりで栗栖さんが明るく力づけました。
        「香菜だと思えばいいんだよ」
        「ああ、そうね……って、同じじゃん!」
        パクチーだめなのよー、と泣きをいれていると、
        「大丈夫」とまた栗栖さん。
        「コリアンダーだと思えば」
        「そっか……いや、それも同じじゃん!」

        久しぶりに会うメンバーです。お互いの近況報告に花が咲きます。
        わたしは耳を傾けながら、どうしようかな、ともじもじしていました。言おうかな、黙っておこうかな。今年はわたしも大変だったんですよ。実はガンになっちゃいましてね。でも治ったんです。
        病気自慢はしたくない。けれど隠しておくものでもない。うーん。
        なんとなく言いそびれて、まあいいか、と思い始めていたら。
        「この人も、今年は大変だったんですよ」
        栗栖さんが、さっとわたしの頭に手をのばし、かぶっていた帽子を取りました。それまでずっと、朝からかぶっていた帽子でした。

        みんながあっと声をあげました。
        「どうしたの……」
        わたしの髪の毛は、ベリーショートと言うにはまだ短すぎる長さでした。
        「実はガンになっちゃって」
        「えーっ」
        言えた。なんとなく、胸のつかえが取れました。

        説明を始めると、実は……とまわりからも出てきました。
        Mさんのご主人は脳で倒れて、現在もリハビリ中。治りかけたところでまた倒れたそうで、もう無理だと何度も思ったそうです。
        「で、今は……?」
        「言葉はちょっと不自由だけど、ほとんど元通り」
        「それは良かったですねえ」
        「健康って大事よね」
        「実感しました、それ。本当に」

        ひとしきり家族の健康を話したあと、わたしたちは話題を、最近はやっている映画の話に移しました。


        閉店まで飲みました。
        わたし達はよいお年をと口々にあいさつし、解散しました。

        「ありがとう」
        駅までの道すがら、わたしは栗栖さんに言いました。
        「みんなに打ち明けるタイミングを作ってくれて」
        「言いにくそうだったからね」
        「でも、もし治ってなかったら、言う勇気がなかったかもしれない」
        「治ってよかったな」
        「うん」

        ホテルまでの電車の中は暖かく、仕事上がりのけだるい充足感と、ほろ酔いの空気を漂わせていました。
        乗客はそれぞれのクリスマスに、静かに思いをはせているようでした。

         
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        2010クリスマス(4)チャリダーご一行様

        2011.05.29 Sunday

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          帰り道。ベロタクシーのお兄さんがふうふう言いながら登った坂を、ゆっくりと下りていきます。以前も来た道を、またこうして歩けるのがうれしい。
          ビタミンウォーターの自動販売機。歩道側に並んでいるお地蔵さんたち。石柵に彫られた名前。増上寺はなにか催しをしているらしく、境内は明るく照らされています。
          ひとつひとつが、懐かしいものでした。

          車道に出ました。
          一気に広がる道路、車、バイク、人。街灯にヘッドライト。音。
          「おお、にぎやかだ」
          「戻ってきた、って感じね」
          活気あふれる街に生命力を感じ、なんとなく笑ってしまいました。

          ふい、と自転車が、車道を走っていきました。また1台。どうやらツーリングの団体のようです。
          「今日は歩道が混んでるからね」
          「楽しそう」
          どこに行くのかな? と眺めていて。
          乗っている一人の服の色が、目が止まりました。
          「あれ? あの服……」
          全身が赤い。袖口と裾が白くフワフワしています。あれはもしかして……
          「サンタさん!」
          え? なになに? と言う栗栖さんに、自転車を指してあげます。
          「本当だ」
          次に来た自転車も、サンタの格好でした。こんどは帽子つき。どんどん赤い人が走ってきます。
          なんと、サンタクロースの自転車集団でした。

          いろいろな格好がありました。
          基本は上下赤のサンタ服らしく、帽子つき、袋つき、白ひげ付き、とバリエーション豊かです。普通の服で、ただ色が赤いだけの人もいました。
          「わあ……」
          思わず笑顔になってしまいました。
          サンタ服のうえに、点滅する電球を巻きつけて、全身ピカピカさせている人もいました。
          ひとりだけ茶色で、トナカイのかぶりものをしていました。
          (ツリーを頭にかぶっている人がいたような気がしますが、ちょっと記憶があいまい。)
          10人以上いるでしょうか。みんなすごい勢いで自転車をこいで、目の前を猛スピードで横切っていきます。
          「楽しい」

          私たちが身をのりだしているのを見て、サンタに気がついて目を丸くしている人も出てきました。指をさし、笑い声があがります。
          全身でおかしさをふりまいているサンタ達の中で、恥ずかしそうは表情をしているサンタもひとりいました。
          夜の車道、クリスマスイブ。

          夢のような光景でした。彼らは急に現れ、あっという間に走り去っていきました。

          信号が赤になりました。横断歩道を、我に返った人々が渡り始めます。
          私と栗栖さんは顔を見合わせました。ふふ、となにか秘密を共有する笑みを交わして。
          「行こうか」
          「うん」

          これが今年の、クリスマス・プレゼントです。

           
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          2010クリスマス(3)東京タワー

          2011.05.23 Monday

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            息をはずませているお兄さんにお金を払うと、ベロタクシーは来た道を帰っていきました。

            降りたところは、交差点でした。ここから坂がもっと急になります。
            「ああ、ここだったんだ」
            すぐ目の前に、見覚えのある鉄塔がそびえていました。ライトアップされて、人々がそこに向かっています。
            東京タワーでした。
            「あの人、途中までしか行けない、なんて言ってたけど」
            「ここまで来てくれれば御の字だね」
            同じように見に来た人たちの流れに混じって、私たちも坂道を上がっていきました。


            近づくにつれ、タワーの足元に、群集のシルエットが浮かび上がってきました。キラキラ光る照明や音楽の下、親子やカップルが、そぞろ歩いています。子供たちは、アトラクションに歓声をあげています。
            「すごい人だね」
            「タワーに昇る?」
            「うん」
            入り口から、行列がのびているのが見て取れました。
            「あれ?」
            行列は外へのびています。建物の外のぐるりの闇に目をこらすと、行列が浮かび上がってきました。100人以上はいるでしょうか。辛抱強く立っています。
            「うわあ」
            受付でたずねると、1時間半待ちとのこと。
            「どうしよう」
            「これから飲み会だし……」
            それだけ待って、昇っていたら、時間が足りません。
            チケットを確認すると、期限はありません、いつ使っても良いですとの返事。
            「また今度にしようか」
            「そうね」
            私たちは東京タワーを後にしました。

            少し離れたところで振り返りました。タワーはオレンジ色に輝き、それ自体がクリスマスツリーのようでした。空に小さく光る星も、ライトアップに一役買っていました。
            おもちゃ箱のような音楽が、かすかに聞こえていました。
             
             
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            2010クリスマス(2)ベロタクシー

            2011.05.17 Tuesday

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              ベロタクシーに乗りました。観覧車を半分にしたような、なんとも面白い形です。
              私たちが座ったのを確認すると、お兄さんはブランケットを出して、ひざに掛けてくれて、
              「それじゃ、出発しますね」
              自転車にまたがり、こぎ始めました。

              ベロタクシーは初めしずしずと、それからしだいに速度を速めていきました。
              静かでした。車のようなエンジン音もなく、人力車のような振動もなく(確認してませんが、あれは揺れるのではないでしょうか)。

              すっかり暗くなった街をながめながら、私たちはのんびり進んでいきました。横をふきぬけていく風は自転車そのもので、ほおをそよそよとなでていきます。車だとあっという間に流れていく風景も、今日はひとつひとつ見ることができます。
              「足が楽だね」
              「高いと景色が違うね」
              以前も2人でこの道を歩きました。ああ、あの公園は見たことがある。その由緒ありそうな建物は、たしかレストラン。

              自転車にまたがったお兄さんは、ふだんは車のじゃまにならないよう、歩道よりを走ります。が、信号機が赤になると、停止線の前で、他の車と並んで停まります。
              自転車のような、自動車のようなベロタクシー。
              増上寺のある交差点を曲がるとき、ベロタクシーは車と前後しながら、車道の真ん中を走りました。過ぎると、自転車に戻って歩道ぎりぎり近くまで寄り、私たちがよくお寺を見れるよう、ゆっくり走ってくれました。

              ベロタクシーは、お寺の脇の道をひょいと入っていきました。車では入りにくいところです。
              そこから急な坂道に。
              「大変じゃないですか? 降りましょうか?」
              と聞くと、
              「あ、平気ですよ。ぎりぎりまで行きます」
              と頼もしい返事。でもタクシー本体の重みプラス2人分の体重です。はらはらしていると、
              「たぶんこれ、電動アシストだから」
              と栗栖さんが言いました。え、そうなんだ。
              「そうなんですよ」
              そう言いつつも、お兄さんは立ちこぎを始めました。片足に全体重をかけて、こんどは反対の足。よいしょ、よいしょ。

              後ろから押してあげたい、と思いつつ固まっていると、
              「じゃ、すみません、ここまでで」
              ついにタクシーが停まりました。

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