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2015.07.13 Monday

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    2009.08.16 Sunday

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      栗栖氏の会社のご友人、ヒゲさん。趣味は釣り。
      毎週のように釣りに行き、この連休ももちろん釣り三昧。
      奥さんは「もう食べ飽きた」そうで、受け皿が我が家に回ってきました。

      「もらってきた」
      と栗栖氏。家をちょっと出たと思ったら、ビニール袋を下げて戻ってきました。釣り帰りのヒゲさんが、車で届けてくれたのだそう。
      「何の魚だったの?」
      「鮎」
      「ああ、鮎」
      うなずいたものの、鮎なんて求肥の入った和菓子の鮎くらいしか知りません。
      どうしよう。塩焼きにすればいいのかな。
      などと考えていたら。

      「これさ」
      ビニール袋をかかげて、栗栖氏がいたずらっぽく笑いました。
      「生きてる」
      「えっ!!」
      袋から、ピシャッと水がはねる音がしました。

      もらった鮎は10匹ほど。小ぶりで20センチくらい。横腹が黄色いのは、天然ものの証だそうです。
      半分くらいは死んでいましたが、残りの半分は生きていました。
      スーパーのパックになっている魚ならしょっちゅう見ているけど……。
      とりあえず、流しの洗い桶に袋をあけました。

      死んだものは底に沈んでいき、生きているものは広くなった水の中を上に下にと泳ぎ始めました。
      大きな1匹だけは具合が悪そうで横になり、たまに腹を上に向けては我に返って起きるといった動作をくり返していました。
       

      鮎が泳ぐところは、デパートなどでよく目にするような、水槽を青や黄色の熱帯魚たちがハタハタと舞いひらめく優雅な姿とはほど遠いのものでした。

      いかに速く泳ぐかが魚なのである、と主張しているかのような弾丸のごとき動き。流線型というのは、なるほど水の抵抗を最小限にしてあるのだなと感心しました。
      かと思うとこちらの様子をうかがうみたいにじっとして、時おりひらりひらりとする。また早回しのようになって、そこらじゅうに水をはね散らかす。

      なんともエネルギッシュで、見ていてほれぼれしました。

      たまに勢いのあるのが外に飛び出て、私をあわてさせました。
      バシャッと水が言ったかと思うと、流しでバタバタバタッとたたきつける音。
      走っていくと流しの中を身をよじらせてはね回っています。つかまえようとしても、小さな体のどこにこんな力があるのかというような暴れようで、手がつけられません。やっとの思いで両手でつかんでも、ぬめりがあるため、すぐにつるりと抜けてしまいます。
      眠っていた狩猟本能がかきたてられました。

      脱走者を戻したあとは、常に床のぞうきんがけでした。


      ――その晩さばかれた鮎は、刺身になりました。
      「川魚なのに生臭くない」
      「コリコリしている」
      魚好きの男たちは、箸でつまみながら舌鼓をうっていました。

      私は、ついさっきまで泳いでいた鮎たちの変わり果てた姿に動揺しつつ、ちびちびと味わいました。
      食べること、生きること、命などについて、ちょっぴり考えたりもしました。
      刺身は新鮮で、薬味のしょうがとしょうゆがよく合い、おいしかったです……。


      翌日、鮎のいくらかは実家に持っていかれ、両親に喜ばれました。
      夕飯ではこんどは塩焼きにされ、我が家の食卓を再びにぎわしました。
      栗栖氏は料理をデジカメで撮り、ヒゲさんにお礼のメールをしました。

      鮎はこうして皆のお腹におさまり、無事(?)いなくなりました。
       
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