夜桜
2011.05.03 Tuesday
光のない光が 来る
闇を つき
東風に 乗って
臭いも
色も なく
矢をはらみ ごうごうと
車も
人も
明かりも 消えた
街に
ただ
桜 だけ が
桜
苦しげに 青ざめて
桜
身をねじり 腕をよじり
桜
届かぬ 悲鳴を上げ
しがみつく
満開の花 花……
散らすな 風よ
この花たちを
どうか
枝に つなぎとめて
せめて このひと夜
黒い 大気に
月は 冷ややかにそびえる
爪は 木を切りさき
はなれた
花びらが 舞う
月のまわりを
奏でるように 命を
――ああ そこへ
君たちは 飛ぶか
高く 宇宙まで
そして 星に――
風が吹く
眼窩のうつろな 馬たちが
ひづめで 蹴ちらかしながら
風が吹く
東のほうから
亡霊たちの 影をまとい
死の吐息を はらみながら
闇を つき
東風に 乗って
臭いも
色も なく
矢をはらみ ごうごうと
車も
人も
明かりも 消えた
街に
ただ
桜 だけ が
桜
苦しげに 青ざめて
桜
身をねじり 腕をよじり
桜
届かぬ 悲鳴を上げ
しがみつく
満開の花 花……
散らすな 風よ
この花たちを
どうか
枝に つなぎとめて
せめて このひと夜
黒い 大気に
月は 冷ややかにそびえる
爪は 木を切りさき
はなれた
花びらが 舞う
月のまわりを
奏でるように 命を
――ああ そこへ
君たちは 飛ぶか
高く 宇宙まで
そして 星に――
風が吹く
眼窩のうつろな 馬たちが
ひづめで 蹴ちらかしながら
風が吹く
東のほうから
亡霊たちの 影をまとい
死の吐息を はらみながら
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