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2015.07.13 Monday

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    シャワーの記憶

    2008.07.20 Sunday

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      週末、実家に行きました。
      髪を洗おうとして、シャワーに手をのばし、レバーを動かしたらいきなりお湯が出てきて、びっくりしました。

      こうすると出るんだったっけ?
      シャワーの使い方を忘れていました。ショックでした。

      今住んでいるところは、蛇口をひねらないとお湯が出てこないタイプです。レバーは、シャワーかカランかを選ぶためのもの。そのつもりでレバーを動かしていました。

      こうやって、だんだん前の家の記憶をなくしていくんだろう、と思いました。
      最初はシャワー。たぶん次は、ガス台。それからテレビのリモコン。
      最近実家で、手がためらうのが分かります。

      もう自分は、今の家の住人になっているのでしょう。
      それは嬉しいのか、寂しいのか。
      胸の奥が、じんとしました。

      7月、早朝(仮題)(『夏の朝』改題)

      2008.07.19 Saturday

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        近所の家々が 目を覚まし始めた
        遠くの道路も 起きてきている
        空の 冴えてきた 青

        でも まだ夜明けではない
        彼はまだ 眠っている

        鳥に混じる
        セミの声
        テレビのニュースは 何も言わないけれど
        次の季節は もうそこだと

        でも まだ夏ではない
        彼はまだ 眠っている


        濃くなってきた 屋根の影
        風は 時を知らせる

        朝が 来る
        夏が 来る
        だけどせめて あと少しだけ

        セミよ 静かに
        日差しよ やわらいで


        彼はまだ 眠っている
        閉まっている カーテンが
        最後の砦

        豆腐チョコ

        2008.07.17 Thursday

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          チロルチョコ。
          “男前豆腐店チョコレート”。
          また面白いものを出してくれましたね〜。(感心)

          袋買いして、職場に配ろうかと思ったのですが、包み紙にあふれる「男」字に、躊躇してしまい、結局自分で開けてしまいました (笑)。

          実際に男前豆腐を入れているとのこと。食べてみると、まあ普通にチョコの味ですが、豆腐っぽい感じがしなくもないです。うーん、確かにちょっと豆腐かも?

          久しぶりに男前豆腐が食べたくなりました。あ、波乗りジョニーでもいいな。

          翌週、コーヒーショップにて(2)

          2008.07.16 Wednesday

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            彼らからすれば、私は買い物帰りにお茶をしている、ただの女性でしかありません。背景の一部にしかすぎない。

            実際そのとおりです。
            くたびれ気味のTシャツ&Gパン。横には安い八百屋の袋。年寄りではなけれど、若くもない。
            仕事はしている。でもバリバリのキャリアウーマンではない。
            贅沢はしていないし、できないけれど、自分のお菓子や雑貨を買うことくらいはなんとかできる。

            そう、よくいる人の一人です。石を投げれば必ず当たる。

            だけど。
            私がどんな気持ちでいるかは、だれも知らないでしょう。
            外側だけは、見れば分かる。
            けれど、中は。


            先週、彼がプロポーズしました。
            私は承諾しました。

            このコーヒーショップにいる人たちの誰も、それに気付かないけれど。
            うつむいてコーヒーを飲んでいる私は、とても胸がいっぱいなのです。うれしさが体からあふれ出ています。テレパシーがある人なら、遠くにいても自然に伝わってしまいそうな幸福感です。

            ――私は“私”であり、世界一しあわせな、小さな1粒の人間です――


            人生は、ときに過酷で、いっそ放り投げて他人になってしまいたいくらい辛いこともあるけれど。
            こういうときもあるのだな。こんな、心がふくらむような、奥底から輝くような感じが。
            他の人は何度も経験しているのかもしれないけれど、私にとっては生まれて初めての経験で。

            私が感じた、私だけの幸せ。ボーナスのようにやって来た、ここ数日。


            感情。このコピーすることも、移動することもできないもの。牢獄のようでもあり、ギフトのようでもある。

            人生の宝物。


            BGMが流れています。
            サラリーマンのお兄さんは、起きてアイスコーヒーを飲むと、文庫本を出して読み始めました。
            眼光鋭いサングラスの初老の男性は席を立って、どこかへ歩いていきました。
            女性2人は、話がまだ尽きないようです。男の子は足をぶらぶらさせています。

            私は、もう少しこのあたたかい時間を味わっていましょう。
            BGMがそばによりそって、いっしょに歌ってくれています。

            翌週、コーヒーショップにて(1)

            2008.07.15 Tuesday

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              仕事の帰り道、裏通り。
              八百屋から駅に向かう途中に、小さなコーヒーのチェーン店があります。間口が狭いので、どれだけの広さがあるのか分かりません。
              看板にあるチョココロネが、いつも気になっていました。

              八百屋での買い物が思ったより多かった日。
              一息いれるという名目で、入ってみました。

              なんとも狭い店内です。幅が両手を広げたくらいしかありません。まさにウナギの寝床。
              受付のレジで、コーヒーと、売りらしいチョココロネを注文しました。

              お金を払い、トレイを手にテーブル席のほうへ向かっていくと、どういう構造なのか、途中から、幅が倍になりました。奥行きも意外にあります。
              よく見ると、テーブルやイスもなかなかしゃれています。

              素敵な、ウナギの寝床でした。

              壁際のソファに座って、荷物を脇に置きます。ああ肩が軽くなった。
              コーヒーをひと口。苦味と甘みが気持ちを落ち着かせてくれ、温かみが体を楽にしてくれます。
              ソファに背中をもたせかけ、ゆっくりと店内を見回します――。

              右手には、首を落としてうたた寝をしている若いサラリーマンがいました。アイスコーヒーは飲みかけのままです。

              左のテーブルにいる40代くらいの女性は、化粧室に立ちました。残った同年代らしい女性が、子供(メガネをかけている)に、
              「いい人でしょ? ママは昔は頭が良かったんだよ」
              と言っています。友達との再会なのでしょうか。

              前の奥のカウンターでは、アイスコーヒーを前にしているサングラスの初老の男性。両の手を軽くにぎり、まわりを一心に見ています。首がかすかに回っています。どういう人で、何を考えているのでしょう――。

              そんな人たちにまぎれて、私もコーヒーを飲んでいます。
              チョココロネは思ったほどではなく、少しがっかりしながらかじります。

              それでも、とても幸せなコーヒータイムです。